MPLAB X IDEによるPICマイコンの開発環境作りの手順

組み込みエンジニア

こんにちは、ENGかぴです。

PICマイコンMicroChip社製のマイコンであり初心者でも気軽に扱えるものから産業用機器に使用されている多機能なものまで幅広く使用されています。PICマイコンの開発環境であるMPLAB X IDEのダウンロードからインストールまでの手順をまとめました。対象OSはWindows10(Windows11)とします。

MPLAB X IDEをインストールした後に追加しておきたいプラグインであるMCCについてまとめています。

MPLAB Code Configurator(MCC)の追加と使い方

開発環境を作る

PICマイコンを開発する環境はマイクロチップ社のHPからダウンロードできます。ダウンロードからプロジェクトの作り方までを手順に従って説明します。MPLAB X IDEは日々更新されているためダウンロード方法が変更になっている場合があります。2022年8月現在では6.00が最新のファイルです。

MPLAB X IDEのダウンロードとインストール

マイクロチップ社のHPの上部のタブから「tools and Resources」を選択すると「Development Tools and Software」のページに遷移します。

DEVELOP欄内の「MPLAB X IDE」をクリックするとダウンロードページに遷移します。サイドバーからDEVELOPを選択し「MPLAB X IDE」を選択しても同様にダウンロードページに遷移します。下記リンクでダウンロードページに遷移します。

マイクロチップ社ーMPLAB X IDE

英語が分からなくてもダウンロードとインストールは簡単にできますのでご安心ください。XPLAB X IDEのページに「View Latest Downloads」をクリックするとダウンロードの位置までページが移動します。

MPLAB X IDEのダウンロード
MPLAB X IDEのダウンロード

赤枠の「MPLAB X IDE Windows」または「Download」をクリックするとダウンロードが開始します。ダウンロードしたファイルをクリックするとインストールのウィザードが開きます。

インストール手順1
インストール手順1

「Next」をクリックして次に進みます。

インストール手順2
インストール手順2

「I accept the agreement」を選択して、「Next」をクリックして次に進みます。

インストール手順3
インストール手順3

上のチェックボックスはMPLABの使用に関する匿名情報の収集を許可して改善を支援するかを選択します。下のチェックボックスはMPLABから製品変更通知の受け取りを有効にしてMyMicrochipアカウントと共有するかを選択します。

必要に応じてチェックを入れてください。MyMicrochipアカウントを作っている場合は後からでも変更が可能です。「Next」をクリックして次に進みます。

インストール手順4
インストール手順4

デフォルトではすべてにチェックが入っています。インストールの容量を削減する場合は開発するマイコンのタイプのみを選択して不要なチェックを外します。「Next」をクリックして次に進みます。

インストール手順5
インストール手順5

「Next」をクリックして次に進みます。

インストール手順6
インストール手順6

インストールが始まるので処理が終わるまで待ちます。

インストール手順6においてUSBドライバーのインストールについてインストールするか許可を求めるメッセージが表示されることがあるので許可してインストールします。

インストールが完了するとNextボタンが押せるようになるので「Next」をクリックして次に進みます。

インストール手順7
インストール手順7

「Finish」をクリックすると終了となりますが、チェックボックスの内容によって終了後の追加のインストールのページに遷移したりします。追加のインストールの確認をしない場合はチェックを外します。

「Launch MPLABX IDE」をチェックすると、終了後にMPLAB X IDEが起動します。起動すると以前のバージョンをインストールしている場合において旧バージョンのプラグインの設定などをインポートするかが問われるため「Yes」を選択します。

インポートする前に旧バージョンを完全に削除してしまうとインポートできなくなるため注意が必要です。旧バージョンを削除する前に新バージョンで起動してインポートすることをお勧めします。

旧バージョンをアンインストールする場合に完全に削除せずプラグインなどの更新の設定を残して削除する方法を選択すると旧バージョンを削除してからでもインポートできます。

旧バージョンのアンインストール時の注意事項
旧バージョンのアンインストール時の注意事項

「Yes」を選択すると完全に削除するアンインストールになります。先にインポートしている場合は完全に削除しても問題ありません。「No」を選択すると旧バージョンのディレクトリを残した状態でアンインストールします。

間違って旧バージョンの設定をインポートし忘れても新バージョンで起動してプラグインを更新し直せばよいので特に気にしなくて良いと思います。

XCコンパイラーは別途インストールする必要があるため以下でダウンロードとインストールの手順を説明しています。開発支援ツールであるMCCはプラグインからインストール方法を下記記事にまとめています。

MPLAB Code Configurator(MCC)の追加と使い方

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XC Compilersのダウンロードとインストール

マイクロチップ社のHPの上部のタブから「tools and Resources」を選択すると「Development Tools and Software」のページに遷移します。

DEVELOP欄内の「MPLAB XC Compilers」をクリックするとダウンロードページに遷移します。サイドバーからDEVELOPを選択し「MPLAB XC Compilers」を選択しても同様にダウンロードページに遷移します。下記リンクでダウンロードページに遷移します。

マイクロチップ社ーMPLAB XC Compilers

MPLAB XC Compilersのページに遷移するとコンパイラーのタイプが表示されます。追加するコンパイラーを選択します。

MPLAB XC8 Compilerのダウンロード
MPLAB XC8 Compilerのダウンロード

今回はMPLAB XC8 Compilerをインストールします。他のコンパイラーは必要に応じて追加してください。「Download an XC8 Compiler」をクリックするとダウンロード画面に遷移します。

MPLAB XC8 Compilerのダウンロード2
MPLAB XC8 Compilerのダウンロード2

赤枠の「MPLAB XC8 C-Compiler(Windows)」または「Download」をクリックするとダウンロードが開始します。ダウンロードしたファイルをクリックするとインストールのウィザードが開きます。2022年8月現在では2.40が最新のファイルです。

インストール手順1
インストール手順1

「Next」をクリックして次に進みます。

インストール手順2
インストール手順2

「I accept the agreement」を選択して、「Next」をクリックして次に進みます。

インストール手順3
インストール手順3

「Next」をクリックして次に進みます。

インストール手順4
インストール手順4

「Next」をクリックして次に進みます。

インストール手順5
インストール手順5

「Next」をクリックして次に進みます。「Add xc8 to the PATH environment variable」はデフォルトの場所にインストールする場合は必要ありません。デフォルトの場所以外(例えばDドライブ)にインストールする場合はチェックして環境変数の登録を行います。

インストール手順6
インストール手順6

「Next」をクリックして次に進みます。

インストール手順7
インストール手順7

インストールが始まるので処理が終わるまで待ちます。インストールが完了するとNextボタンが押せるようになるので「Next」をクリックして次に進みます。

インストール手順8
インストール手順8

「Next」をクリックして次に進みます。

インストール手順9
インストール手順9

「Finish」をクリックすると完了となります。MPLAB XC8 CompilerのインストールによってMPALB X IDEで作成したプロジェクトファイルのコンパイルが可能になります。

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プロジェクトを作る

PIC12F675を選択してプロジェクトを作成する手順を説明します。MPLAB X IDEを起動します。MPLAB X IDEのバージョンがv5.35ですがv5.50でも同様にプロジェクトが作成できます。

プロジェクトファイルの作り方

MPLAB X IDE画面
MPLAB X IDE画面

起動するとスタートページが表示されます。プロジェクトを作るためにFile欄からNew Projetctを選択するかアイコンをクリックするとプロジェクト作成が開始します。

プロジェクトの作成手順1
プロジェクトの作成手順1
プロジェクトの作成手順2
プロジェクトの作成手順2
プロジェクトの作成手順3
プロジェクトの作成手順3
プロジェクトの作成手順4
プロジェクトの作成手順4
プロジェクトの作成手順5
プロジェクトの作成手順5
プロジェクトの作成手順6
プロジェクトの作成手順6

プロジェクトが作成出来たらプロジェクトのファイルが準備されます。この中にプログラムファイルを作っていきます。

メインファイルの作り方

プロジェクトファイルの作成が終わったらメインファイルを作成します。

メインファイル作り方手順1
メインファイル作り方手順1
メインファイル作り方手順2
メインファイル作り方手順2

メインファイルが完成するとプログラムが開発できるようになります。メインファイルを作成した後やっておいたほうが良いConfiguration Bitsの設定について説明します。

Configuration BitsはPICマイコンにおいて共通部分であり優先度が高い設定項目です。MPLAB X IDEでは設定を補助する機能として実装されています。MCC機能を使用する場合はSystem Module設定で Configuration Bitsの設定ができます。

MPLAB X IDEのツールバーのProduction内のSet Configuration Bitsをクリックします。

Configuration Bitsの設定
Configuration Bitsの設定

表示された設定を行いGenerate Source Code to Outputをクリックするとコンフィグレーション設定のコードが生成されるのでメインの部分に貼り付けます。

ソフトの書き込みについて

プログラムを実装しソフトをマイコンに書き込むときの方法について説明します。書き込みツールが準備できていることを前提に進めます。

ソフトを実装しコンパイルして書き込みを行うためには、書き込みのマークをクリックすることでコンパイルとソフト書き込みを同時に行うことができます。

コンパイルエラーの場合は書き込みはスタートすることはありませんが、コンパイルエラーが無ければマイコンにソフトを書き込みに行きます。書き込む際に次のようなエラーが出ることがあります。

書き込みのエラーについて
書き込みのエラーについて

クリックするとプロジェクトのプロパティが表示されます。Conf欄の中のPICkit3の欄をクリックするとPICkit3に関する情報が表示されます。Option categories:を選択と設定できる項目がリストで表示されるので「POWER」を選択します。

PICkit3の電源設定
PICkit3の電源設定

この設定が完了したら書き込めるようになります。たまにPCとの相性かもしれませんが、PICkit3のUSBを抜き差ししないとうまくいかないケースもありました。

PICkit3の電源設定を変更してもうまくいかない場合はケーブルの抜き差しで書き込めるようになることもありましたので試してみてください。

PICkit3は現在ではバージョンアップされPICkit4になっています。新規で購入して書き込む際はPICkit4を使用することをお勧めします。

上記の電源設定はPICkit4でも同様の操作で変更できます。

関連リンク

PICマイコンを使ってマイコンのレジスタの設定やMPLAB X IDEのプラグインであるMCCを使用して動作確認したことについてまとめています。

PICマイコン(PIC12F675)で実現できる機能と解説リンクまとめ

PICマイコン(PIC16F1827)で実現できる機能と解説リンクまとめ

最後まで、読んでいただきありがとうございました。

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