【電気電子部門】技術士第一次試験のサイリスタ問題の解説

ノウハウ(体験談)

こんにちは、ENGかぴです。

技術士第一次試験の電気電子部門の試験においてサイリスタの平均電圧を求める問題が出題されています。サイリスタの動きと平均電圧の計算の仕方が分かっていれば簡単に回答できます。サイリスタの平均電圧問題の解き方について記事にしました。

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サイリスタの平均電圧問題のポイント解説

整流回路の分野の問題は過去にも出題されていましたが、R1年度の問題でサイリスタの平均電圧を求める問題が出題されています。解き方が分かっていれば簡単に解けるためポイント解説したいと思います。公開されている過去問を引用して説明していきます。

R1年度の問題

技術士第一次試験 電気電子部門-R1年度問題 日本技術士会のHPより引用
技術士第一次試験 電気電子部門-R1年度問題 日本技術士会のHPより引用

この問題のポイントは、平均電圧の考え方とサイリスタの動きについて知っているかになります。正弦波の電圧は\( Vo = \sqrt{2}V_{rms}sinθ [V]\)となります。平均電圧は正弦波が位相を一周するまでの電圧の平均となります。

サイリスタは基本的にはダイオードと同じ働きをします。ダイオードにゲートがついておりゲートにパルスを印加することでターンオンして整流します。

問題の図において半波整流回路となっておりサイリスタのゲートにパルス(点弧)された時から整流されます。サイリスタが動作する区間は\(α < θ < π\)となります。

正弦波の動作区間の面積を求めて正弦波が一周する2πで割ることで平均となります。$$V_R=\frac{1}{2π}\int_α^π\sqrt{2}V_{rms}sinθdθ$$ $$V_R =\frac{\sqrt{2}V_{rms}}{2π}[-cosθ]_α^π= \frac{\sqrt{2}V_{rms}}{2π}(1+cosα) $$ここでVrms=100Vでありα=30°\((\frac{π}{6})\)であるから代入して計算すると$$V_R = \frac{\sqrt{2}×100}{2π}(1+cos\frac{π}{6})= 42[V]$$となるので、③が正解となります。

サイリスタの考え方

サイリスタの説明図

制御極(ゲート)をもつ整流素子としてサイリスタがあります。ダイオードのアノード(A)とカソード(K)にゲート(G)を持っており、順方向電圧を加えてもゲートにトリガー信号(ONさせるための信号)IGを流さなければ導通しません。

一度ゲートに電流が流れるとA-K間に保持電流(サイリスタがON状態を維持するために必要な電流)が流れていればゲート信号がなくてもONの状態を保ちます。ゲートに電流を流さなくてもブレークオーバー電圧以上の電圧が順方向に加わるとサイリスタがONします。

ブレークオーバー電圧は温度で大きく変化するので誤動作させないためにもブレークオーバー電圧以下の電圧に余裕を持たせて使用するのが一般的です。

サイリスタの動作

サイリスタの導通と阻止区間
サイリスタの導通と阻止区間

上のイラストにおいて瞬時値V[V]の正弦波を印加すると0< θ < αのときは順方向電圧が印加されていますが、ゲートに信号が入っていないのでサイリスタはOFFになります。この区間を順阻止区間といいます。

θ = αになるとゲートに信号が加わるのでサイリスタがターンオン(OFFからONになること)します。この区間を導通区間といいA-K間が保持電流以上になるのでONの状態を維持します。サイリスタに順方向電圧が印加されてからゲートに信号が伝わるまでの時間αを制御角といいます。

θがθ1になると電流は保持電流以下になるので、サイリスタはターンオフの状態になります。π < θ < 2πの間は逆電圧になっているのでゲート信号が入力されてもサイリスタはOFFのままになります。この区間は逆阻止区間といいます。

平均電圧の考え方

平均電圧の考え方
平均電圧の考え方

ダイオード1つを使い単相半波整流回路を構成したとします。単相交流から直流の電力を作るもので電圧波形は正の部分のみとなります。

直流側の電圧ERの平均値Ed0は$$E_{d0} = \frac{1}{2π}\int_0^πE_Rdθ$$となります。この式はERの波形の面積を計算して平均するのと同じになります。正弦波の基本式から\(E_R = \sqrt{2}Vsinθ\)であるから

$$E_{d0} = \frac{1}{2π}\int_0^π\sqrt{2}Vsinθdθ=\frac{\sqrt{2}}{π}V = 0.45V・・(1)$$

ダイオードの代わりにサイリスタを用いた回路では制御角α分だけ遅れて出力されます。制御角αのときの直流側の平均電圧はEd0は、

$$E_{dα}=\frac{1}{2π}\int_α^π\sqrt{2}Vsinθdθ= \frac{V}{\sqrt{2}π}(1 + cosα)・・(2)$$

となります。αを調整することで直流側の平均電圧を調整することができます。

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