【電気電子部門】技術士第一次試験の発電設備に関する問題の解説

ノウハウ(体験談)

こんにちは、ENGかぴです。

技術士第一次試験の電気電子部門の試験において発電設備に関する計算問題が出題されています。水力発電の水頭に関するベルヌーイの定理(公式)が分かっていれば難しくありません。ガスタービンの効率も排熱と回収の関係を正確につかめれば難しくありません。これらについて過去問を引用して説明しています。

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発電設備に関する問題

発電設備に関する問題は出題頻度は数年に一度とそこまで多くはないのですが、考え方が分かっていれば簡単に解くことができます。今回は過去の出題では見かけなかった水頭に関する問題とガスタービン発電の熱効率の問題について解説したいと思います。公開されている過去問を引用して説明していきます。

R1年度(再試験)の問題(水力発電の水頭)

技術士第一次試験 電気電子部門-R1再試験の問題 日本技術士会のHPより引用
技術士第一次試験 電気電子部門-R1再試験の問題 日本技術士会のHPより引用

この問題のポイントはベルヌーイの定理を知っているかになります。ベルヌーイの定理とは、位置水頭、圧力水頭、速度水頭の各水頭の和は常に一定であることを示したものになります。詳細は下の章を参考にしてください。

ベルヌーイの定理は下記式で表すことができます。$$h + \frac{p}{ρg} + \frac{v^2}{2g} = H [m](一定)$$各式の項は長さの単位[m]となりhを位置水頭、p/ρgを圧力水頭、v²/2gを速度水頭、Hを全水頭といい各エネルギーの和になります。

与えられた条件から各水頭を求めていきます。位置水頭H1は基準面を水車の中心線上としているのでH1は高さがないので0になります。(下の章のベルヌーイの定理のイラストでA点水車があり基準とした場合hAの長さが0になる。)

圧力水頭H2は$$H_2=\frac{p}{ρg}= \frac{1.0×10^6}{1.0×10^3×9.8}= 102[m]$$となります。次に速度水頭H3を求めます。$$H_3=\frac{v^2}{2g}= \frac{6.0^2}{2×9.8}= 1.8[m]$$となります。全水頭Hを求めると$$H=H_1+H_2+H_3 = 0+102+1.8≒104[m]$$となります。したがって④が正解になります。

H30年度の問題(ガスタービンの熱効率)

技術士第一次試験 電気電子部門-H30年度の問題 日本技術士会のHPより引用
技術士第一次試験 電気電子部門-H30年度の問題 日本技術士会のHPより引用

この問題のポイントはエネルギーがどのように使われているかを的確に把握することです。問題文から使用されているエネルギーがガスタービンと蒸気タービンに使われたかを把握すると簡単に解くことができます。

ガスタービン発電で使われる熱は熱効率が30%であるため使われない排熱は70%になります。この排熱が蒸気タービン発電に使われます。蒸気タービンの熱効率は40%であるためガスタービン発電で使われなかった70%のうち40%が使われることになります。

つまり70%の40%が使用されることになるので28%になります。総合効率は熱が発電に使用された部分の合計になるので30%+28%=58%になるので①が正解になります。

水力発電の水頭の考え方

発電所の水車に関わる落差やポンプなどは圧力の単位よりも長さの単位[m]で表すと便利なため水圧を水頭をして数値として表記する方法がとられています。

水頭に関して説明していますがベルヌーイの定理式(1)(2)を覚えておけばよいので参考程度にしておいて問題ありません。

位置水頭

m[kg]の水が基準面からh[m]の高さになるとき水の持っている位置エネルギーEhは重力加速度をg=9.8[m/s²]とすると$$E_h=mgh[J]$$となります。

圧力水頭

圧力エネルギーの説明図

水深h[m]の水槽の上部に断面積A[m²]のピストンを取り付けたときピストンが水圧P[Pa]=[N/m²]で押されて距離l[m]だけ移動したとすると、水圧Pがピストンを動かした仕事量はEpはAlP[N・m=J]となります。このエネルギーを圧力エネルギーといいます。

水の密度をρ[kg/m³]とすると水の重さmはρAl[kg]となることから圧力エネルギーEpは次式で表すことができます。$$E_P=AlP=\frac{mP}{ρ}[J]$$となります。

速度水頭

m[kg]の水が流速v[m/s]で流れているとき、この水の持つ運動エネルギーEVは次式で表すことができます。$$E_v=\frac{1}{2}mv^2[J]$$となります。

ベルヌーイの定理

ベルヌーイの定理
ベルヌーイの定理

水管などの摩擦などのエネルギー損失がないものと仮定した時A点とB点のそれぞれのエネルギーは位置、圧力、運動エネルギーの和であり、エネルギー保存の法則によりそれぞれの点による値は等しくなります。これを表すと$$mgh_1 + \frac{mp_1}{ρ}+\frac{1}{2}mv_1^2 = mgh_2+ \frac{mp_2}{ρ}+ \frac{1}{2}mv_2^2$$となり、両辺をmgで割ると$$h_1+\frac{p_1}{ρg}+\frac{v_1^2}{2g}= h_2+\frac{p_2}{ρg}+\frac{v_2^2}{2g}$$となります。水管においてはどの点においても同じであるため

$$h+\frac{p}{ρg}+\frac{v^2}{2g}=H[m](一定)・・(1)$$

となります。これをベルヌーイの定理といいます。実際にはエネルギー損失があるのでこれを損失水頭hlとすると

$$h+\frac{p}{ρg}+\frac{v^2}{2g}+h_l=H[m](一定)・・(2)$$

式(1)を覚えておいて問題中に損失を考慮する記載があれば式(2)のように損失を加えて計算することで対応できます。

コンバインドサイクル(複合サイクル)発電

コンバインドサイクルの説明
コンバインドサイクルの説明

コンバインドサイクルとは、蒸気タービンによる汽力発電方式にガスタービンなどを組み合わせて総合的な熱効率を向上させる方法です。コンバインドサイクルには各種の方法がありますが、排熱回収方式はイラストのような構成になります。

コンバインドサイクル発電の特徴は

  1. 熱効率が高い
  2. 故障時の部分停止が可能
  3. 始動・停止が容易
  4. 汽力発電よりも冷却水をが少なくてよい
  5. 多量の空気が必要で、材料を燃焼させることで窒素酸化物の含有量が増える
  6. 出力が外気の影響を受ける

ガスタービンの熱効率は約30%ほどです。汽力発電においては約40%であるため劣っているといえます。約70%の排熱が使われずに失われてしまうのは非効率であることから排熱を有効利用するために排熱回収装置で熱を回収し蒸気タービンを駆動する方法が開発されました。

コンバインドサイクル発電は汽力発電の熱効率の約40%よりも数%~10%程度高くなることから総合的な熱効率は約50%程度になります。

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