【電気電子部門】技術士第一次試験の交流回路のインピーダンスを求める問題の解説

ノウハウ(体験談)

こんにちは、ENGかぴです。

技術士第一次試験の電気電子部門の試験において新傾向として波形からインピーダンスを求める問題が出題されています。交流回路の基礎が分かっていれば解ける問題だと思います。交流回路における条件からインピーダンスを求める問題の解き方について記事にしました。

技術士第一次試験の勉強におすすめする参考書や電気電子部門のポイント解説についてまとめています。これらのシリーズで2か月間勉強することで十分合格できます。

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交流回路からインピーダンスを求める問題のポイント解説

オシロスコープの波形から条件が与えられてインピーダンスを求める問題は過去の出題を確認したところ新傾向の問題だと思います。交流回路の考え方が分かっていれば難しくないと感じたため説明していきます。

今年から数年にわたって出題される可能性もあると考えています。公開されている過去問を使って説明していきます。

R1年度の問題

技術士第一次試験 電気電子部門-R1年度の問題 日本技術士会のHPより引用
技術士第一次試験 電気電子部門-R1年度の問題 日本技術士会のHPより引用

この問題のポイントはVOとVR波形の波高値の差によって位相が遅れているか進んでいるかを判断すること、VRの波高値を求めて全体のインピーダンスを求めることです。

始めにVOとVRの関係について考えます。この問題ではVOを基準に波形を設定していますが、VOを0としたときにVRの波形はすでに0を超えています。つまりVRの方が先に0の点を通過しているということになります。

VOはVRよりも位相が遅れていると言えます。抵抗分に対して位相が遅れているのでインピーダンスはコンデンサであると判断できます。次に素子の容量を求めていきます。

波形の時間差から位相差を求めるイメージ

a点とb点の時間差は0.83msとなっています。

周期が10msであることから0.83msが正弦波において何度分に相当するものかを概算していきます。

1周期が10msであることから\( 1msあたりの角度 = 360 /10 = 36 [ °] \)となることから0.83ms時の角度を求めると$$0.83msの角度 = 36× 0.83 = 29.9≒30[°]$$

VRのピークから30°分位相が進んだ時VOのピークとなるのでVRはVOの60°分の大きさということになります。したがってVRの波高値は$$V_R=V_0sin60°= 70.7×\frac{\sqrt{3}}{2} = 61.2[V]$$となります。

次にRを流れる電流の波高値を考えると\( I = 61.2[V]/25[kΩ] = 2.45[mA]\)となります。回路に流れる電流が分かったのでVOとIによって回路全体のインピーダンスZを求めることができます。$$ Z = \frac{70.7}{2.45×10^{-3}} = 28.86[kΩ]$$となります。

交流回路はZ=R+jXで表され、Zの大きさで考えると\( Z = \sqrt{R^2+X^2}\)となります。Rは抵抗分、Xはリアクタンス分です。リアクタンス分を求めると、$$X = \sqrt{Z^2-R^2}=\sqrt{28.86^2-25}=14.41[kΩ]$$リアクタンス分はコンデンサであることは位相差によって分かっているのでリアクタンスから静電容量を求めます。\(X=\frac{1}{2πfC} \)において周期が10msなので周波数は時間の逆数なのでf=100Hzになります。$$C=\frac{1}{2π×100×14.41×10^{3}}=0.11[uF]$$したがって、③が正解になります。

交流回路のインピーダンス

交流回路のインピーダンス

交流回路のインピーダンスについての考え方について説明します。交流回路のインピーダンスは複素数で考える必要があります。

抵抗のみの回路であれば実部だけになるのですが、コイルやコンデンサなどのリアクタンス系の素子がある場合は虚部の成分も含めて考える必要があります。上のイラストの合成インピーダンスを考えると$$Z=R+jωL+\frac{1}{jωC}=R+j(ωL-\frac{1}{ωC})=R+jX$$ZはベクトルでR[Ω]の実部とX[Ω]の虚部をもちます。ベクトルの大きさは$$|Z| = \sqrt{R^2+X^2}$$$$Θ=tan^{-1}\frac{X}{R}$$これらをイラストで表すと以下のようになります。

虚部のリアクタンスの説明

虚部のリアクタンスXがX>0のときは誘導性となり、X<0のとき容量性になります。X=0のときはインピーダンスが最小になりRのみの回路と同じ(共振回路)になります。

R1年度の問題に当てはめて考えると回路に流れる電流をIとしたときVO=ZIであり実部と虚部のそれぞれはVR=R×I、VX=XIになります。オシロスコープの波形からVOがVRよりも遅れていることが分かるのでベクトル図を考えると以下のようになります。

容量性の負荷の説明

V0負の方向であるためリアクタンス分が虚部の負となり容量性の負荷であることが分かります。

Zが一つの素子となっていることからコンデンサであることが分かります。

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