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パワハラ防止法の制定の背景と事業主(会社側)に求められること

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こんにちは、ENGかぴです。

職場でのパワハラによって自殺者が出てしまうなどパワハラは社会的な問題です。2020年6月から大企業が対象で2022年4からは中小企業においてパワハラ対策が義務化されます。パワハラ防止法の背景と規制内容について記事にまとめました。

下記書籍はコンパクトにまとめられており参考になります。1時間ほどで内容が入ってくるほどわかりやすくまとめられていたの要点を抑えるには最適です。

パワハラ防止法制定までの背景

2020年の6月に大手企業を対象にパワハラ防止法(正式名称:改正労働施策総合推進法)が法施行されます。中小企業においてはの2022年4月から対象になります。それまでは努力義務になっています。法施行までの経緯を最近のニュースをもとに見てみます。

最近、誰もが知っている大企業である三菱電機でパワハラ上司による新入社員2名を自殺に追い込んだ事件がありました。

職場の権力を振りかざして暴言・脅迫をしていたことや中には自殺教唆といえるようなことまでやっていたようです。パワハラ上司は自殺教唆で書類送検されています。

先生が先生をいじめるといったパワハラもニュースになっていました。神戸市立東須磨小学校の教師によるパワハラです。

加害教諭は4名であり20台の後輩教諭に激辛カレーを無理やり食べさせていたことや熱湯入りのやかんを顔に押し付けるなど正気の沙汰と言えないようなことなど悪質な嫌がらせをしていたようです。

教員間のパワハラはこの例以外にも明るみになりつつあり、職場という閉鎖的な空間においていじめはエステートしやすいような気がします。いじめの加害者が子供の教育をしていると思うとゾッとする思いしかありません。

パナソニックの人事課長が内定者に対して研修という名目のもとコメントを書くことをノルマ化して達成できなかった場合、内定を取り消すということをほのめかすことで追い込み内定者が自殺してしまったケースもあります。

職場いじめとして考えられそうなのが

  • 一方的に無視する
  • 資格を取るように強要する
  • 業務負担を必要以上に与える

これらについては、実際に当職場においても起こっていることなので他の企業に関しても多かれ少なかれあるのではないでしょうか。一方的に無視することは一部の人間関係によるものグレーゾーンな部分もあると思いますが、上司と部下の関係になるとアウトです。

資格を取るように強要することも実際に管理職以上において通知がされている例があり管理職以上が対象ということのようですが、会社の方針によって資格を取らない場合は減給までほのめかしているのでパワハラの一種であると考えています。

業務負担を必要以上に与えることによってストレスに追われ精神的に追い詰められてうつ病になったり、有給休暇も取りにくい環境を無言の圧力によって作られていることも上司が部下をいじめていると言っても過言ではないと思います。

上司は会社(社長などの幹部)からいじめられ上司は、ストレスから部下をいじめてしまうという負のスパイラルにおおわれているのが今の日本の職場なのかもしれません。

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パワハラ防止法の規制内容

パワハラ防止法については厚生労働省のページでpdfファイルで通知されています。

6月になり各企業もパンフレットを掲示板に掲示したりパンフレットを配布したりして内容を周知してきています。

厚生労働省ーパワーハラスメント対策が事業主の義務となります!

厚生労働省ーハラスメント防止対策に関する参考資料

厚生労働省ーパワーハラスメント及びセクシュアルハラスメントの 防止対策等について

これらを参考にしながら内容についてまとめていきます。

職場におけるパワーハラスメント(以下パワハラ)とは以下の3つの要素を含むものと定義されています。

  1. 優越的な関係を背景とした
  2. 業務上必要かつ相当な範囲を超えた言動により
  3. 就業環境を害すること(身体的若しくは精神的な苦痛を与えること)

1~3において業務上必要な指示注意・指導であれば該当しません。厚生労働省において検討報告書において職場のパワハラについて6つに分類しています。

分類説明
身体的な攻撃上司が部下に対して殴るなどの暴行すること。
精神的な攻撃上司が部下に対して、人格を否定するような発言をする。暴言や脅迫も禁止
人間関係からの切り離し意にそわない社員に対して、仕事を外し、長期間にわたり別室に隔離したり自宅研修させたりする
過大な要求上司が部下に対して、長期間にわたる肉体的苦痛を伴う過酷な環境下での勤務に直接関係のない作業を命じる
過小な要求上司が部下を退職させることを目的に能力や経験とは関係のない誰でも遂行可能な業務を行わせる
個(プライバシー)の侵害思想信条を理由として、集団で同僚1人に対して職場内外で継続的に監視したりする
パワハラ防止法の6つの分類

次に、具体的な例と対象外になるケースについてまとめます。一部私の経験上の事例を入れており極端な例になっているかもしれませんが、ご了承ください。

身体的な攻撃

具体例
新入社員や職務に慣れていない中途社員などに対して教育だからと言って制裁目的で暴行を加える。粗暴な態度を取って暴言を吐いたり、物を投げて恐怖を与えることも対象となります。

対象外:
業務上関係のない同じ企業の同僚間の喧嘩は対象外です。酒を飲んで暴れて喧嘩などは対象外です。傷害罪になれば懲戒処分などになるかもしれません。

意図せずホットコーヒーをこぼしてしまい相手にやけどを負わせてしまったなど場合はパワハラになりませんが、治療費などの支払い義務は生じます。ただし意図していたと判断された場合はパワハラに加えて傷害罪も加わります。

精神的な攻撃

具体例:
言葉による暴力で追い詰める。「仕事ができないのだから給与はあげられない」「仕事ができないのに休むのか」「家族がどうなっても知らんぞ」など業務内容に関係があったとしても脅迫とみなされます。

上司から部下のみならず部下から上司への攻撃もパワハラになります。例えば元部下だった人が出世し上司になっていた場合などがありますが、業務命令に従わないことや業務内容を必要に応じて報告せず「上司が無能である」というような風評被害を加えて精神的に追い詰めることなどもパワハラです。

仕事がさばけないからと部下を「生ごみ」扱いしてそのように呼んでいた事例を知っており周りに聞こえるように苦痛を与えることは精神的な攻撃であり許されることではありません。匿名で通報したこともあります。

対象外:
遅刻や服装の乱れなど社会的ルールやマナーを欠いた言動・行動が見られ再三注意しても改善されない部下に対して上司が強く注意する。必要以上に長い時間叱責するとパワハラ認定される可能性もあるので簡潔に注意するなどの配慮が必要です。

モンスター従業員もいるので注意する際は録音しつつ暴言にならないように気を付けましょう。

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人間関係の切り離し

具体例:
あきらかに他の社員とは対応を変え無視する。挨拶に応えない、仕事を与えずに閑職に追いこむことなど仲間外れを故意に繰り返すような嫌がらせを行う。グループ内で新入社員や中途社員を教育せずに放置する。

中途社員が入社してきたときに教育や仕事を与えずに放置し(なんのために増員しているのか分からない)、中途社員が「仕事がないのか」と相談しても教育することが面倒なのか「今はお願いすることはない」の繰り返しでストレスから退職に至った事例があります。無意識なうちに仲間外れにしてしまいパワハラとなってしまうこともありそうです。

対象外:
新入社員を育成するために短期間集中的に個室で研修などの教育を実施する。教育だからと期間を限定せずに続けているとパワハラ認定されることもあるようです。

過大な要求

具体例:
明らかに能力以上の業務の負担を強制しておいて、失敗するとペナルティを与える口実をつくって過度にプレッシャーを与える。

改善提案制度において提案のノルマが達成できない場合評価に影響を与えるなどペナルティを与えるケースがあります。下記記事に改善提案をノルマ化するデメリットについてまとめています。興味があればご覧ください。

改善提案制度は素晴らしいが、ノルマ化すると弊害が大きい理由

能力以上の業務とは言わないまでも一定の効果が得られないと提案とみなさない条件のもとノルマ強制して達成できなければ減給をチラつかせることはパワハラであると言えます。

対象外:
社員を育成するために現状よりも少し高いレベルの業務を任せる。業務の負担となっているときに高いレベルの業務を任せすぎると精神的な負担となることから過大な要求とみなされる可能性があるので管理する側のバランス感覚が必要です。

過小な要求

具体例:
業務上の合理性がなく能力や経験とかけ離れたレベルの低い仕事を与え閑職に追いやって精神的に疲弊して退職に追い込んでいきます。

対象外:
経営上の理由から一時的に人員補填なので能力に見合わない業務についてもらうことは仕方のないことなので対象外となっています。

個(プライバシー)の侵害

具体例:
「普段なにしているんですか」どの一般的な会話からさらに根掘り葉掘りプライバシーにかかわることを聞くこともハラスメントだと言えます。

これも程度の問題で判断が難しいところです。職場での人間関係の構築には多少の雑談は必要だと思いますが、最低限にしておくことがよさそうです。

「結婚しないの」なども必要以上に言いすぎるとパワハラととらえられかねませんしセクハラになってしまう可能性もあります。

対象外:
社員への配慮を目的として、社員の家族の状況などについてヒアリングを行う。当人ではなく家族がインフルエンザになり看病のため休暇を与える場合に家族の状況を聞いてテレワーク(在宅勤務)をお願いしたりすることなどがあげられます。

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事業主に求められること

パワハラ防止法がスタートすると事業主である企業において雇用管理上必要な措置を講じることが義務化されます。

適切な措置を講じていないと判断された場合は、是正指導の対象となります。

現行のセクハラ防止の措置義務の内容も踏めて今後変更になる可能性はありますが、雇用管理上の措置の具体的内容として以下の指針が掲げられています。

  • 事業主によるパワハラ防止の社内方針の明確化と周知・啓発
  • 苦情などに対する相談体制の整備
  • 被害を受けた労働者へのケアや再発防止

これらに実現のために国が取り組む重点課題が閣議決定されています。この内容に沿って事業主が社内方針や体制の整備を行っていくことになります。

事業主によるパワハラ防止の社内方針の明確化と周知・啓発

過労死などに結び付きかねない職場におけるハラスメントの対策として、ポータルサイト、リーフレット、ポスター等、多様な媒体を活用して周知・啓発を進めていき、「パワーハラスメント対策導入マニュアル」などを活用して取り組み内容について周知を行っていくことが方針となっています。

実効ある対策を推進するため、すべての都道府県において人事労務担当者向けのセミナーを実施することも盛り込まれているため実際に対応する部署や担当者などの人員整備が必要になります。

国の方針を踏まえたうえで社内方針に落とし込み周知・啓発するシステム作りが必要になります。

6月になり当職場においても人事部からパワハラに関するガイドラインに目を通すようにと掲示されています。

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苦情などに対する相談体制の整備

昨今では、モンスタークレーマーなどの顧客や取引先からの暴力や脅迫のような悪質なクレームなどの著しい迷惑行為が問題になっています。

これらは労働者に大きなストレスを与え、無視できない状況にあるという問題が明らかになったためパワハラへの対応との相違点を踏まえつつ、関係者協力の下で実態把握して必要な対応を行うことが奨励されます。

労働条件や健康管理などの相談窓口の設置して、パワハラだけでなくセクハラなどについても職場におけるハラスメントについて労働者からの相談への迅速な対応を行うことが必要になります。

相談しやすい環境づくりのため窓口に男性から男性へや女性から女性へ相談できるような体制づくりも必要になってきます。同姓なら相談しやすいケースもあるので窓口の人員についても考慮する必要がありそうです。

被害を受けた労働者へのケアや再発防止

事実関係を迅速かつ正確に確認し、事実確認ができた場合には、速やかに被害者に対する配慮の措置を適正に行うことと行為者に対しても措置を適正に行うことが指針となっています。パワハラだけでなく広義のハラスメントに対するケアが求められることになります。

事実確認ができなかった場合においても再発防止に向けた措置を講ずることもハラスメントの対策として要求されます。

相談者・行為者などのプライバシーを保護するために必要な措置を行うことや周知することは、当然ですが相談したことや事実確認に協力したことを理由にして不利益な取り扱いを行ってはならないことを定め労働者に周知・啓発することも求められます。

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パワハラ防止法の罰則は

パワーハラスメント対策が事業主の義務となりますが、罰則は特に決まっているわけではないようです。ただし、是正指導の対象となりそれでも解決しないのなら対象企業名の公表を行うなど社会的な制裁を受けてしまうこともあり罰則がないから問題ないとは言い切れません。

大企業がまずは対象となっていることからニュースにもなれば企業ブランドに傷がつくことにもなるのでハラスメント対策を適正に行うことは避けて通れないと思います。

大企業よりも中小企業においてパワハラの対策が遅れていると考えられることから2022年から対象になるとはいえ迅速な対応が求められます。

実際にパワハラの現場を目撃して通報したことのある身としてはそのような上司がいるだけで周りの労働者が影響を受け気持ちよく仕事ができません。

会社として生産性を上げたいのならばパワハラを平気で行うような社員に対しては即刻解雇するくらいの意気込みが必要だと感じます。

最後まで、読んでいただきありがとうございました。

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